パスワードを使い回してもいない、あやしいリンクも踏んでいない。それなのに、自分の情報が漏れてしまう——。編集部が最近もっとも気になっているのが、この“自分では防ぎきれない”タイプの情報漏洩です。
2026年に入り、大手の通信会社などで、契約している「外部の委託先」が使うソフトウェアの弱点を突かれ、メール関連の情報が外部に流れる事例が報じられています。国内でも、大手通信会社が委託先ソフトの脆弱性を突かれ、行政から報告を求められたケースが伝えられました。
なぜ「委託先」が狙われるのか
いまのサービスは、たった1社だけで完結していることはほとんどありません。メールの配信、顧客管理、問い合わせ対応——それぞれを別々の会社(委託先)に任せているのが普通です。攻撃する側から見ると、本体を正面から破るより、つながっている“脇の会社”のほうが入りやすい、というわけです。
これは「サプライチェーン攻撃」と呼ばれます。鎖(チェーン)のいちばん弱い輪を狙う、というイメージです。そして厄介なのは、利用者からはその鎖のどこが弱いのか、まったく見えないという点です。
編集部の意見:利用者は「悪くない」。でも“備え”はできる
まず、はっきりさせておきたいことがあります。委託先経由の漏洩で情報が流れても、それは利用者のせいではありません。「自分の不注意だったのでは」と自分を責める必要はない、と編集部は考えます。
とはいえ、「漏れることもある」という前提に立って、被害を小さくする備えはできます。守れない部分があるからこそ、自分で守れる部分をしっかり固めておく——それが現実的な向き合い方だと思います。
個人ができる、無理のない備え
- パスワードはサービスごとに変える。1か所漏れても、他のサービスまで芋づる式に破られるのを防げます。
- 重要なサービスは二段階認証をオンにする。パスワードが漏れても、もう一つの鍵でログインを止められます。
- 漏洩のお知らせメールが来たら、まず“本物か”を確認する。漏洩に便乗した偽メール(詐欺)も増えるため、リンクは押さず公式サイトから確認します。
- 外出先で大事な操作をするときは、通信を暗号化するVPNなどを併用し、盗み見のリスクを一つ減らす。
おわりに
「自分は何もしていないのに」という理不尽は、これからも完全にはなくならないかもしれません。だからこそ、完璧を目指すのではなく、いざというときに被害を最小限にとどめる準備を、少しずつ整えておく。編集部は、そんな“ゆるやかな防御”をおすすめします。外出先での通信対策に関心があれば、公衆Wi-Fiの安全な使い方の記事も参考になるはずです。
